あれからこれから

不安障害と更年期うつを抱えた私の記録

イライラを止めるか生理を止めるか

 

49歳。世の中はマスク必須の頃。私はパートで仕事を再開していた。

 

PMSがひどくなってきたのは40半ばぐらいからだったと思う。排卵痛、下痢に過食、落ち込み。これぐらいは我慢できた。ところがこの頃から、

 

無性にイライラするようになってきた。

 

職場の気の合わない人にイライラ(言えないけど)、外でマナーの悪い人にイライラ(言えないけど)、そして、家では夫にイライラ(めっちゃ言う)。

 

月の半分がこの状態。そして、生理が始まるとぴたっとおさまる。

二重人格かもと思うくらい落差は激しかった。

 

もしやPMDD(月経前不快気分障害)なのかも。このままじゃ家庭内の空気がさらに悪くなる。

これじゃいかんと最新医療をしているというレディースクリニックへ駆け込んだ。

 

 

医師「じゃあ、薬を飲んで生理を止めましょう」

ん?

戸惑う私を残し、話はどんどん進んでいく。

 

医師「閉経前あたりに一旦薬を止めて、閉経したらホルモン補充療法に切り替えましょう」

 

そこで『ディナゲスト』という薬をもらった。

 

 

帰り道、無性に悲しくなった。

私は前の結婚の時、子供ができず5年ほど不妊治療をしていた。

治療をやめたのは子供を諦めたからではなく、お金が続かなくなったからだった。

体外受精なんてやると1回40万はかかる。やったからって妊娠する保証はない。不妊治療ってのは、肉体、精神、金銭の三重苦。それでも我が子をこの手に抱きたい一心で沼に落ち込む。

2022年からやっと不妊治療が保険適用となって、今頑張っている人達が金銭面だけでも少し楽になると良いなと思うばかり。

 

 

時を戻そう。

私がこの薬を飲むってことは、諦めきれなかった思いに自らトドメを刺すって事だ。

 

 

分かってますとも、もう49歳。生理があっても妊娠するはずがない。

分かってはいたが、私はこの薬が飲めなかった。

 

子供が欲しかったんですよ、先生。まだ若い前途有望そうなあなたに言っても仕方ないとは思うんですけど、おばちゃんはね、むかし子供が欲しくて欲しくて苦労してね、挙げ句の果てに離婚までしちゃって、あらやだ関係ないわねこんな事。だからそう簡単に、「生理止めましょう」なんて言ってほしくなかったのよ。

 

なんてこと言えないので、親友に電話して号泣した。

 

この先生の処方は間違っていないと思う。ピルはもう飲めない年齢だし、イライラを止めたいから何とかしてと言ったのは私なんだから。矛盾してるのは私だ。

 

その後、大豆製品取ったりヨガやったり色々やってみるも、イライラは止まるどころか増していった。今思えば、これは更年期の症状の出始めだったと思う。