あれからこれから

不安障害と更年期うつを抱えた私の記録

穴を埋めるために沢山褒めよう

 



職場でウマの合わない人がいる。社員さんで、私は主にこのAさんと仕事をする。悪い人ではないが、入社した時からどうも私に対してのあたりが強い。

私のアラを見つけては突いてくる。「うるさいな。いいじゃんそのくらい」と思っていた。

 

理由は何となく分かっていた。

上司のBさんが、私の前職の経験をかってくれ会社に入る事ができた。私とウマが合う。

Aさんには、私が上司であるBさんに気に入られてると映るんだろう。

「〇〇さんは気に入られてるから怒られませんよ」と言われた時、「何だよその基準、子供か」と思ったが、自分はいくら頑張っても、気に入られてないから認められないと思っているらしい。そんなバカな。

 

Aさんは畑違いの職業からの転職だが、とても仕事ができる。細部まで目を凝らし、人に任せることはせず、全てを完璧にこなそうとする。

昔の自分を見ているようだった。

肩の力抜いて。頑張りすぎだよ、もっと人に頼ろうよ。

 

Aさんは上司Bさんの愚痴をよく言う。

内容は、「こんな事言われた、こんな風に言われた、こんな言いかた人間としてどうなんだ」とか。

こういうのってパワハラ
からしてみれば、「あなた同じ事を私にしてるよ」と思うのだが、本人は気付いていない。

 

確かに上司Bさんはハッキリ言う人で、言葉足らずな面がある。Aさんは裏では悪口を言いながらも、いかにBさんの機嫌を取るかを考えている。

上司Bさんは絶対的信頼をAさんにおいているが、彼女には伝わっていないようだ。私がそう言っても、「そんな事はない」と頑なだ。

 

Bさんに怒られたAさんが私にあたる(→家で夫にグチる)という流れを変えたくて、色々やってみた。

 

 

ここ1年で随分と互いに歩み寄る事ができた。

Aさんの愚痴をなるべく聞いてあげ、彼女の負担を減らすために先回りして仕事をする。

そして、とにかくAさんを褒めた。お世辞じゃなく彼女は本当に仕事ができる。ありがとうございますと感謝の気持ちをいつも口にした。

すると、彼女も私を褒めるようになった。私のこんな所がすごいと褒めてくれる。でも、お互い褒められるのに慣れてないせいか、「いえいえそんな、」と謙遜し合う。

そんな風に空気は良くなっていき、仕事がしやすくなった。

 

先日、Aさんが仕事量に追いつけず、酷いかんしゃくを起こしたことがあった。「私も手伝いますから大丈夫ですよ」となだめても、また怒られる、嫌味を言われるとイライラが止まらない。

 

この一件で、私は次の日予約していた病院をキャンセルするほどダウンしてしまった。

先生に久しぶりのダウンの原因の話をすると、「その人褒められずに育ってきたのね。だから褒めて欲しくて頑張っているのよ」と言った。

 

はて。言ってる意味が分からない。

Aさんの前職は教師だ。私のイメージとしては、教師って自分に自信があって、賢くて褒められて育った人なんじゃないの?

 

先生「教師は生徒を褒める側で、自分はいくら頑張っても褒めてくれる人がいないのよ。

上司の校長や父兄にもうるさい人いるだろうし。資格せっかく取ったのに辞めたって事は続けられなかった何かがあるんでしょうね。」

 

なるほど。Aさんは上司のBさんに褒めて欲しくてたまらないんだ。

 

先生「あなたと同じように、その人もたくさん穴が空いてて、いくら褒めてもその穴から抜け出ちゃうのよ。だから、穴が塞がるまでお互い褒め合うのはいい事だと思うわよ」

 

ちなみに先生いわく、うちの夫は穴がほぼない人だと言う。

確かに夫を褒めると、当たり前だと言わんばかりにドヤ顔をする。

その最強メンタル憧れる。