あれからこれから

不安障害と更年期うつを抱えた私の記録

言葉の力

 


今まで3軒の心療内科に行ったが、どこも長く続かなかった。

 

初めて行ったのは10年前。症状はめまい、耳鳴り、不安感、恐怖心、不眠など。

抗不安薬と漢方を処方され、不安は少し抑えられた。

 

でも、ズンとした重いものは消えなかった。

 

先生と話していても一方通行な気がする。

先生、聞いてます?

この心がえぐられるような苦しみをわかって欲しいんです。

 

 

先生が薬を出すだけのロボットに見えてくる。

背中にスイッチあるかも…

 

 

その頃、よく腹痛を起こすようになった。

検査をしても原因が見つからない。薬も効かない。

そのうち食後は毎回お腹を下すようになり、体重が激減。立ち仕事なのにフラフラで立ってるだけでもしんどい。

 

人員削減で仕事量も多かった頃。

離婚したての私は職を失う事が怖くて必死だった。

 

夜になると、不安はますます強くなる。

思い出したくない事をどんどん思い出し、眠りたいが眠れない。

 

救いを求めてフリーダイヤルに泣きながら電話すると、

こちらが吐き出すまでしっかり聞いてくれ、いたわりの言葉をかけてくれた。

「いつでも電話してきてくださね。」

その言葉を聞き、安心して眠りにつく。

 

 

 

他の病院を探そうと思っていた時、友人かかりつけの胃腸科内科を教えてもらった。聞いていた通りとても温和な先生。

 

胃腸の検査のほか、生活や仕事の状況を聞かれた。

 

先生「それは大変だったね」

 

泣きそうになった。

いや、少し泣いたかも。

 

 

ストレスからくる過敏性腸症候群とのこと。

処方された薬でお腹の調子が少し改善され、下す回数が減った。

 

救われた。

 

薬が効いた事はもちろんだったが、先生にかけてもらった言葉が何よりも嬉しかった。

 

 

私はすっかり先生の信者になり、抗不安薬も処方してもらって先生の所で長年しのいできた。

治すというより対処療法な感じだ。でも、それで良いと思っていた。

 

もちろん先生からは何回も心療内科を勧められた。

「うちじゃもうこれ以上無理だよ」と突っぱねられたことも。

泣く泣く紹介された病院へ行っても、結局また舞い戻ってくる私。

仕方ないな、という感じで長年支えてくれた。

 

 

今通っている心療内科は昨年から行き始め、10ヶ月になる。

ここの先生は「一緒に楽になる方法を探していこう」と言ってくれる。

けして私の言葉を遮らない。そんな小さな事でも私にとっては大事な事だ。

言葉は薬以上の力をくれると思う。